応用生命科学・バイオメディカルサイエンス【220008】 Biomedical Sciences【220008】

講義科目基本情報

科目区分 基礎 単位数 1
選択・必修 選択必修 授業形態 講義
開講時期 1年次春学期 講義室 大講義室

科目の概要

担当教員筆頭者名 伊東 広
担当教員 伊東広、加藤順也、河合太郎、末次志郎、新蔵礼子、栗崎晃、笹井紀明、石田靖雅、磯谷綾子
教育目的/授業目標 メディカルサイエンス(医科学)は健康を維持し、病気の予防や治療を扱う科学である。 最先端のメディカルサイエンス研究、特に免疫、発生・幹細胞工学、神経発生、がん治療、薬の開発などにおいて目覚ましい進歩が見られる。本講義ではこれらの重要なトピックスに焦点を絞って概説する。  
Medical science is a science of dealing with the maintenance of health and the prevention and treatment of disease. Recently, a remarkable progress has been achieved in the fields of immunology, developmental and stem cell technology, neural differentiation, cancer cell biology, and drug development. This lecture gives overviews of these important topics.
指導方針 それぞれのテーマに関し、主に基本的知識や技法を解説し、その分野の導入とする。
We introduce advanced biomedical sciences by explaining basic knowledges and techniques.

授業計画

備考 回数 テーマ 内容
1回 薬理学の基礎 (伊東)
Basic pharmacology
薬理学は薬の作用機序を理解し、疾患に対して正しい処置を行うのに必須である。細胞、組織、個体における薬の作用を理解することで、正常な生体システムも明らかとなり、新たな薬の開発にもつながる。神経伝達物質、ホルモン、それらの受容体の構造と機能、アゴニスト(作動薬)、アンタゴニスト(拮抗薬)など、薬理学の基本的な概念を学ぶとともに、最近の医薬品の特徴を考察する。 
Pharmacology is a basic medical science that aims for understanding the molecular mechanisms of drug actions and indispensable for proper treatment against diseases. A grasp of drug actions in cells, organs, and human body helps to realize normal biological systems, leading development of new drugs. This class introduces basic pharmacological concepts including neurotransmitter and hormone receptors, and agonist/antagonist actions.
2回 癌の分子細胞生物学(加藤) 癌細胞は増殖に関する遺伝子が変異して生じる。この変異は電離放射線、DNAを損傷させる化学物質、ウイルスなど様々な原因によって起こり、癌に関与する遺伝子(癌遺伝子、癌抑制遺伝子)には細胞周期制御、アポトーシス、細胞老化、DNA修復に関わる様々なものが含まれる。本講義では、その中でも重要な項目について分子細胞生物学的視点から概要を解説する。
3回 免疫と疾患(河合) 免疫とは、インフルエンザウイルスやコレラ菌、ガン細胞といった異物を認識しこれらを体から排除する生体防御機構である。本講義では、免疫システムの基本を概説し、アレルギーや自己免疫疾患といった免疫系の異常による疾患発症のメカニズムならびにこれら疾患克服に向けた最新の研究を紹介する。
4回 細胞の構造構築のシグナル伝達(末次) 細胞は生命の基本単位であり、その形態はさまざまである。その形態変化は、細胞が未分化状態から分化状態に変化するときや、疾患形成、例えば、がん化に伴っても観察される。また、細胞は、さまざまな細胞外のシグナルに応答しその形状を変化させる。本講義では、細胞内シグナル伝達がどのようにアクチン細胞骨格系や脂質膜の形状を変化させ、細胞の形態、すなわち、細胞膜の形態を形成するか、概説する。
5回 獲得免疫と遺伝子編集(新藏) 私たちの細胞が保持する遺伝子は数も種類も決まっている。からだを構成するすべての細胞は同じ遺伝子を持っているが、それぞれの遺伝子は各細胞で異なる調節により発現するために各細胞の機能が異なる、というのは分子生物学の基本である。しかし、私たちの体細胞の中には、遺伝子に変異を入れたり遺伝子の組換えを起こす細胞が存在する。世代を経ることなく、新しい遺伝子とその産物を作るための合目的的遺伝子組換えであり、外的から身を守る免疫系、特に獲得免疫系の細胞(リンパ球)で起こる。リンパ球で起こる遺伝子編集について概説する。
6回 幹細胞の制御と分化(栗崎) ES細胞やiPS細胞などの多能性幹細胞は、体中の組織細胞に分化する能力を有する幹細胞であり、再生医療への応用や病気の原因究明等の目的で幹細胞の分化方法が検討されている。この講義では、多能性幹細胞の作製、分化方法やその応用について概説する。 Pluripotent stem cells, such as embryonic stem cells and iPS cells are unique stem cells that can differentiate all the tissue cells in the body. Therefore, various differentiation methodologies using these stem cells are currently under investigation to apply them for regenerative medicine and understanding of disease mechanisms. This lecture introduces preparation, differentiation, and application of these pluripotent stem cells.
7回 神経分化の分子機構(笹井)
Molecular mechanisms leading to neural differentiation
未分化な細胞が、発生過程を経てどのように機能的な神経細胞に分化するかを知ることは、発生生物学のみならず再生医学的見地からも重要な課題である。この講義では、脊椎動物の神経分化に関わる誘導因子や転写因子の働きについて、基本的な概念を議論するほか、最近の研究の進展についても概説したい。

 It is important to understand the molecular mechanisms leading to the neural and neuronal differentiation for not only to basic developmental biology but also regenerative medicine. In this lecture, the basic concept for development and differentiation will firstly be discussed, and the critical molecules for the differentiation, including neural inducers and transcription factors, will be introduced. In the latter half of the lecture, recent progress in this field will be introduced as well.
8回 ヒトにおける自己と非自己の識別(石田) ヒト疾患の中では、各種アレルギー反応や自己免疫病に加え、慢性ウイルス感染症(肝炎、エイズ)や癌なども、自己と非自己の識別機構が破綻した状態と捉えることができる。本講義では、特にヒトの獲得免疫システムに着目し、その生理と病理を解説する。
9回 発生工学と動物モデル (磯谷)
Developmental engineering and animal models
 遺伝子改変動物などの動物モデルは、発生工学技術を用いて作られる。このような動物モデルは、遺伝子機能の解析やヒト疾患の研究には欠かせなくなっている。本講義では、発生工学技術について解説し、最新の動物モデルについて紹介したい。

 Animal models such as gene-manipulated animals are generated by the technology of developmental engineering. These animal models have become indispensable for the analysis of gene functions and the study of human diseases. In this lecture, we would like to explain about the technology of developmental engineering and to introduce the current animal models.

テキスト・参考書

テキスト 特になし
参考書 特になし

その他

履修条件
オフィスアワー 在室時はいつでも
成績評価の方法と基準 授業への参加度を50%、各講義で実施する小テストの成績を50%で評価する。
関連科目 特になし
注意事項 特になし