情報生命学特論【230008】 Bioinformatics【230008】

講義科目基本情報

科目区分 専門 単位数 1
選択・必修 選択 授業形態 講義
開講時期 講義室 L12会議室

科目の概要

担当教員筆頭者名 作村諭一、別所康全
担当教員 作村諭一、加藤菊也、久木田洋児、末次志郎(以上バイオサイエンス研究科)、中野高志、吉本潤一郎(以上情報科学研究科)、浦久保秀俊(京都大)、中村岳史(東京理科大)
教育目的/授業目標 近年、DNA配列決定技術や顕微鏡技術の発達により、生物学では大量のデータを得ることが可能になった。本科目では大量のデータの解析手法を学び、その応用によって新たに可能になったこと、また将来可能になるであろうことを学ぶことを目標とする。
指導方針 データに基づいて科学的主張を行うための解析手法が多様に存在することを知るだけでなく、各データに対して最適な解析手法を自ら選択できるように指導する。

授業計画

備考 回数 テーマ 内容
1回 特論の概要解説 / 分子と表現型を数値で結びつける方法(作村諭一)
Outline of the course / Method of associating molecules and phenotypes with data (Yuichi Sakumura)
細胞内の分子シグナルは最終的に分子ではない表現型に至る。つまり、細胞にとってのシグナルは、分子から別の物理量に変換される。その変換の法則をデータを用いで数式化する方法を紹介する。
Molecular signals in a cell drive its phenotype. This indicates that the cell signal is converted from the molecule to another physical quantity. I will introduce how to formulate the signal conversion using experimental data.
2回 未来予測の医学(加藤菊也)
Important concepts of clinical medicine (Kikuya Kato)
一般に生物学には時間の概念はないが、2つの領域では例外的に時間が重要な要素となっている。一つは進化学であり、過去を現在のデータから推測する。今一つは臨床研究であり、現在のデータから未来の患者の状態を予測しなければならない。臨床研究では、対象となった患者だけでなく未来の患者にも結果が適用できるように様々な工夫が施されている。臨床研究で開発された手法はIT関連のデータ分析にも応用されるようになってきており、その点についても簡単に説明する。
Conceptual importance of “time” is generally absent in biology, but exits in evolutional biology and clinical medicine. In clinical studies, we have to predict status of future patients from trials employing a limited number of patients. In this lecture, important concepts of clinical studies are introduced.
3回 医学研究におけるゲノム解析ついて(久木田洋児)
Genomics in medical research (Yoji Kukita)
ヒトゲノム計画に代表される大型国際プロジェクトにより、ゲノム情報については“ヒト”が最も整備されたモデル生物となっている。本講では、医学分野においてゲノム情報を活用した研究について紹介する。
By conducting big international projects, such as human genome project, “human” has been the most maintained model organism about genomic information. In this lecture, I will introduce genome research in medical fields.
4回 神経研究の大型研究プロジェクトにおける情報・計算科学の役割(浦久保秀俊・京都大)
Role of informatics and computations in big national projects for elucidating neural systems (Hidetoshi Urakubo, Kyoto Univ)
近年、アメリカ・ヨーロッパ・日本において脳神経に関わる大型プロジェクトが進められており、情報・計算科学の役割が大きくなっている。日本のプロジェクトを中心に、それら大型プロジェクトの現状について紹介する。
In USA, Europe and Japan, big national projects have been launched for elucidating neural systems, and such projects involve neuroinformatics and neural computation. I would like to introduce them.
5回 様々な顕微鏡観察と数理解析(末次志郎)
How to deal with the image data obtaied by various microscopy methods. (Shiro Suetsugu)
生物学において、顕微鏡を用いた形態観察や分子の局在観察は必須である。近年の顕微鏡技術の発展は、超解像解析などこれまでと質的に異なる大量のデータを生成し、その解析においては、(初歩的な)数理的な解析が必要となる。本講義では研究事例とそこで用いられた数理解析を紹介する。
The developments of microscopy methods, including super-resolved microscopy, produce large data that are not similar to the image data obtained by the conventional microscopes. I will discuss the image analysis obtained by conventional and/or by super-resolved methods based on the research examples.
6回 神経活動の数理的・計算論的理解(中野高志)
Mathematical and computational analysis of neural activity (Takashi Nakano)
脳機能は脳を構成する神経細胞の活動によって実現される。神経細胞がどのように情報を処理することでその機能を実現しているのかを理解するためには数理的・計算論的アプローチによる解析が有用である。本講義では神経系の概要とともにそれらのアプローチについて紹介する。
Brain function is realized by the activity of neurons. The mathematical and computational approaches are useful to understand how neurons process information and realize brain function. In this lecture, I will introduce the basic neuroscience and their approaches.
7回 生物系論文を出すために最小限必要な統計検定(中村岳史・東京理科大)
Minimum essential statistical analysis for publishing papers in life science (Takeshi Nakamura)
十数年前から医薬畑の実験データの再現性が非常に低いことが問題になっている。統計検定の不正確な使用がその主因のひとつとされ、生物系論文を投稿するにあたって統計検定のガイドラインが厳格に定められるようになっている。その流れを概説するとともに、生物統計について心得ておいた方がよい実用的なポイントを最小限度に絞って具体的な例で説明する。
Since late 2000s, many reports have warned the very low reproducibility of experimental data in biomedical literatures. One of the main reasons is an inaccurate use of statistical analysis in biomedical research. Therefore, major journals in this field have set rigid submission guidelines for the usage of statistical tests. In this lecture, the outline of circumstances will be explained, and practical advices for the use of statistical analysis and test will be given with specific examples.
8回 バイオインフォマティクスのための多変量解析入門(吉本潤一郎)
Introduction of multivariate analysis for bioinformatics (Junichiro Yoshimoto)
実験計測技術のハイスループット化に伴い、多様なオミックスデータが急速に蓄積されてきている。一般にオミックスデータは大規模かつ高次元であり、この中から生命現象に関わる重要な情報を抽出しようとバイオインフォマティクスの分野では様々な多変量解析技術が活用されている。本講義では、それらの中から代表的なものについて成功例とともに紹介する。
Advances in high throughput measurement techniques allows us to have easy access to large-scale & high-dimensional "omics data." To extract useful information associated with biological mechanisms from those data, various multivariate analysis techniques are employed in the field of bioinformatics. In this lecture, we introduce some representative methods along with their successful case studies.

テキスト・参考書

テキスト 必要に応じて資料を配布する
参考書 なし

その他

履修条件 2/3以上の回の出席を条件とする。
Students are required to attend a minimum of 2/3 of classes.
オフィスアワー NAIST教員は随時(事前にメールで連絡すること)。学外教員は講義後。
成績評価の方法と基準 各回のミニテスト(50%)、期末のレポート(50%)
関連科目 統合システム生物学特論
注意事項 日本語で行われます。
This will be taught in Japanese.